米国時間2023年10月10-12日、アメリカ ロサンゼルスにて「Adobe MAX 2023」が開催されました。今回はロサンゼルスの会場に現地参加したTooメンバーが実際に体験したイベントの様子をレポートします。
Adobe MAXはアドビが主催する世界最大級のクリエイティブカンファレンスです。アドビアプリケーションの最新技術や今後の展望などが語られるKeynote、トップクリエイターのデザインへの取り組み方といったデザインプロセスが聞けるセッションや、実用的なテクニックを解説するセッション・ハンズオンが多数おこなわれます。昨年に引き続き今年もロサンゼルスのコンベンションセンターでリアル開催となりました。同時にオンラインでも開催され、約4万人の方が視聴されたそうです。
初日はアドビ製品の最新機能、活用方法を紹介するKeynote(基調講演)に多くの参加者が参加しました。
冒頭、アドビ社の最高経営責任者であるシャンタヌ・ナラヤンからの、「アドビは誰もがクリエイティブになれる環境を創ってきた」との言葉のとおり、誰でも簡単にクリエイティブに取り掛かれるツールの発表が多かった印象です。特に今回は今年3月にすでにリリースのあった「Adobe Firefly」に関する発表が多く、いくつか取り上げてご紹介します。
Firefly Image2 model
今回のKeynoteで、Fireflyが既存のモデル(Image1 model)からImage2 modelに進化したと発表がありました。
この進化により、画像生成の質が大幅に進化しました。解像度が格段にあがり、表現の細かさやより本物らしい表現ができるようになりました。
世界初「ベクターグラフィックス特化型生成AI」
プロンプトを打ち込んで画像を生成するAIは数多くありますが、編集可能なベクターグラフィックスを生成できるAIは世界で初めてとのこと。Firefly(ウェブ上)もしくはIllustratorで使うことができます。
※現在はベータ版
業界初「テンプレートデザイン特化型生成AI」
プロンプトからバナーやチラシなどのテンプレートを生成できます。Adobe Expressの機能に組み込まれており、そのままExpress上で編集することが可能です。
※左:ベクターグラフィックス特化型生成AIでベクター画像を書き出した様子、右:テンプレートデザインを生成した様子
また、アドビは生成AIに関する差別化として、以下の4つを掲げました。
・商業利用を前提とした安全性を考慮
・統合されたワークフロー
・企業向けのサービス設計
・コンテンツクレデンシャル機能
企業でのAI利用に対して安全な設計になっており、クリエイターが安心してアドビの生成AIを使うことができます。
Project Fast Fill
シンプルなテキストプロンプト入力だけで画像コンテンツの追加、削除、拡張を行う生成AI機能「生成塗りつぶし」のAdobe Premiere Pro・Adobe After Effectsバージョンです。特定のフレームで書き換えたい範囲を指定し生成すると、その後のフレームも全て置き換わるうえに、光の調整や動きなどの変化にも応じて書き換えがおこなわれていました。
Project Primrose
反射ディスプレイを組み込んだドレスに、「Project Primrose」で作ったデータを反映させると、ツール上で作った模様をリアルに確認することができるというもの。プレゼンターの動きに合わせて模様が変化したときは、観客の拍手・喝采はものすごいものでした。
Project Stardust
オブジェクト認識型画像編集エンジンで、オブジェクトのクリックだけで移動、削除ができる技術です。対象のオブジェクトを選択し、自由に動かせるほか、本来動かした箇所にないはずの部分も生成してくれ、まるでレイヤーを持つファイルのようにあらゆる画像編集が可能になるようすが見てとれました。
3日間のうちにおこなわれるセッションでは、175以上の講演やハンズオンに参加することができました。
特に有名企業のデザイナー・クリエイターがスピーカーを務めるセッションや、最新機能・ワークフローが学べるハンズオン(ラボ)が人気だった印象です。また、Adobe Fireflyを取り上げたセッションも数多くありました。
企業で生成AIを活用する方法を教えるセッションでは、各有名企業から実際にAdobe Fireflyをどのように活用しているかの話を聞くことができました。Substanceでモデルをや質感を整えたシューズに、Fireflyで作ったパターンをテクスチャとして貼り付けてイメージをつかんでいたり、パッケージデザインで雪山や雪だるまなどの背景の生成、キャラクターに持たせる道具の動きの生成など、すでにFireflyを駆使して効率的に仕事を進めている様子が伺えました。
出展ブースでは、Video/Photography/Graphic Design/3Dの4つの区画で展開されており、実際にノベルティが作れたり体験ができるようなブースに人が大く集まっていました。Firefly関連のブースや、新機能を試せる場所もありました。そのほか、スポンサーによる出展ブースや、一区画を使ってセッションをするSpeaker Theaterというスペース、クリエイターによる展示即売会もありました。
また、Adobe MAXの名物ともいえるペイントボードもあり、自身のSNS・企業の宣伝をする人や、初参加できて嬉しいことを書いている人などで埋め尽くされ、目にも鮮やかなボードが完成していました。
今回「Adobe MAX 2023」で発表されたAdobe Creative Cloud2024の最新機能・新情報について深掘りするウェビナーを2023年11月22日(水)に開催します。当日は2時間リアルタイムですので、視聴中にご質問をいただいた際はできるかぎりその場で回答します。ぜひご参加ください。
「Adobe Creative Cloud 2024最新機能を深掘り!&CC2023機能おさらいウェビナー」
https://www.too.com/event/2023/AdobeCC2023/
今回のブログでは、Adobe MAX2023の現地体験レポートをお届けしました。
株式会社Tooでは、今後もFireflyなどに関する最新情報をお伝えしていきます。
その他にも疑問やご相談などございましたら、アドビ取り扱い30年以上・経験豊富なスタッフの多いTooにご相談ください。
法人版限定のディスカウントもあります。
アドビアプリの対面講習・オンデマンド講座も実施しています。
ありがとうございました。
今後も最新情報やTIPSなど配信していきますので、ぜひご覧ください!
記事は2023年11月 6日現在の内容です。